社会福祉事業 事務局の仕事 9 事務局業務 財務・経理

4-2.財務・経理

財務の視点はとても重要ですが福祉事業では何をどう考えれば良いか分かる人はほとんどいません。
そもそも財務諸表が民間とは違います。
また、経営者がPL(損益計算書)は読めても、BS(貸借対照表)が苦手な人が多いのも中小企業同様です。
財務はまさにBS(貸借対照表)活動です。
どこでお金を調達し、どのように活かすかが財務の仕事です。
経理の仕事は、売上からかかった経費を記録をする事が主な仕事。
間違いなく記録する事が最重要です。
しかし、黒字倒産という言葉があるように損益計算書だけを見ていても会社の存続は出来ません。
経営者が財務視点を勉強する事で生き残る会社を作る事が出来るようになります。
また、税務会計と管理会計の考え方の違いについても押さえておきたいポイントです。

日本の中小企業の会計はほとんどが税金の計算のための税務会計です。
税理士さんは税金の金額を算出する事が仕事です。
経営者は利益を出す事が仕事です。
(福祉事業も同様です。)
事業の存続にはお金が必要です。
利益を出すためには管理会計の考え方が必要です。
}各部門に予算を割り当てる。
目標と実績の乖離をなくすために活動する。
管理会計の考え方を全社に導入する事で利益を出せる体質に変わります。

最近読んだ本でとても参考になる考え方をご紹介します。

投資に関する意思決定(投資の決定)と、その投資に必要な資金調達に関する意思決定(資金の調達)と、そして運用して得たお金をどう配分するかという意思決定(配当政策) が財務の仕事~ざっくりわかるファイナンス:石野雄一(著)より引用。

 

あるべき財務の姿は、法人全体の資金需要予測を立てて各事業所の目標と合致させる事がその第一歩となります。

社会福祉事業 事務局の仕事 8 事務局業務 人事・労務

4-1.人事・労務

人事・労務は危機的な状況に直面しています。

「良い人が来ない」どころか、「人が来ない」から仕事はあっても潰れる状況になっています。
どのように採用・育成するのかを考える事が人事の仕事です。
採用した人材の労働時間管理や環境整備は労務管理として行います。
「そんなに大げさに考えなくても良いのではないか」と言う方もいます。
毎年30万人以上の人口が減少している日本。
先日、日経新聞で特集されていた記事「大廃業時代の足音:中小「後継未定」127万社」は現実です。
人を採用するためのマーケティングが必要です。
そのためには、自社が何を行っているのか?
何を目指しているのか?
計画的な情報発信が必要となります。
これまでのように学校を回って担当者との関係を築いて… では遅すぎます。
「出来の良い子」は自分の頭で就職先を探すようになります。
ただでさえ中小企業の採用は難しい状況下で益々差が広がるでしょう。

また、労務管理=仕事の成果と支払う給料も一律ではなくなります。
自事業所・法人の考え方と合う人材と個別契約となるでしょう。
短時間正社員の雇用も当たり前となるでしょう。

政治と財界がもたもたして追いつかない状況となりそうですね。
外資に優秀な人材をもっていかれて日本は本当に空洞化してしまう危機感を持っています。

労務管理に追われるばかりではなく大局的視点を持ちたいものです。

社会福祉事業 事務局の仕事 7 事務局業務 人事・労務・財務・経理

3.事務局業務(人事・労務・財務・経理)各事業

私が中小企業の組織作り支援を行う時に、
上記のような組織設計図を最初に作成するように勧めています。

福祉事業の場合は、
サービスを提供する部分と販売する部分は各事業所の管理者、サービス管理責任者にゆだねられます。
事務局としては全体を俯瞰したうえで、人とお金に関する計画と実務を行うことになります。
その時に陥りがちな事が「処理」に追われる事です。
労務管理は採用から給与計算などの勤怠管理、役所への提出書類の作成など「すべき事」が多くあります。
また経理では日次の現金の小口管理、毎月の経費処理など「すべき事」だらけです。
最初に書いた事務局の仕事にあるように「その他」の仕事は次から次へ降り注いできます。
人事労務のあるべき姿、財務経理のあるべき姿を描かなくては処理に追われるだけの事務局となります。

 

社会福祉事業 事務局の仕事 6 自法人の沿革、概要

1.      自法人(事業所)沿革・概要・特徴

各法人の設立の背景や沿革はそれぞれでしょう。
「なぜ」なのか?
については理事長自らが語らなくては伝わりません。
前述の理事長は平成7年の精神保健福祉法施行時にある病院で勤務していました。
1,000人を地域に卒業させる実行の最前線で働いていました。
また、その後のある団体からの独立についても理由がありました。
設立から年数がたつと忘れられてしまいます。
事務局は外部との接点も多くあります。

いつ、いかなる場合に聴かれても理事長の代弁者となれるようしっかりと記憶・記録しておく必要があります。

・入居者の公募は、3週間で、1室に19名殺到。

・4年待っている方をお断り

・このまま帰ったら虐待されると知りながらお断り

・長期入院者、グループホームに入れなければ、

・いつ地元に帰ってこれるかわからない

・暴力をうけ、疲弊している家族

・待ってる間に死んでいる。
このような状況を放置していてはダメだ。
だから自分たちで法人を創ろう!

など、創立時に理事が議論した「公憤」については、
しっかりと自分の言葉で伝えられるようにしておきたいものです。

 

事業所概要などについては、事務方としてパンフレット作成や労働者名簿などで最新の情報を更新します。
(作業としてのレイアウト編集、原稿依頼、印刷手配だけで終わらせない。)

 

自法人・事業所の特徴はなかなか一言で言い表す事が難しいでしょう。
本来であればウリを見つけるワークを理事などの経営陣や管理職で実施したいものです。
事務局がウリを一言で外部に伝える事が出来ると対外折衝能力が高まります。

社会福祉事業 事務局の仕事 5 精神保健の歴史

1.      業界を取り巻く歴史・環境・法律・制度

 

障害者を取り巻く環境について
身体障害者393万7千人

知的障害者74万1千人

精神障害者392万4千人
(平成28年版 障害者白書)より

以下は、私が関わった精神障害の業界についての私なりのまとめです。

事務局のあるべき姿を描き、業界外から入社した事務局職員向けのオリエンテーリングで理事長が話した内容と私が情報収集した内容をまとめました。各事業所の実態に即して組み立てなおしてください。

業界外の人であっても最低限知っておきたい基礎知識です。

 

 

精神保健の歴史
癲狂院(てんきょういん):「癲」てんかん、「狂」行動異常や妄想。

日本では長く精神障害者は隔離の対象であった。1900年(明治33年)精神病者監護法により、精神障害者は精神病院へ入院させる事が目的だった。入院させることが出来ない場合は私宅監置させていた。
1918年(大正7年)、呉秀三・樫田五郎『精神病者私宅監置ノ實況及ビ其統計的觀察』を出版。「わが邦十何万の精神病者は実にこの病を受けたるの不幸の他に、この邦に生まれたるの不幸を重ぬるものというべし」

1919年(大正8年)に精神病院法を施行させたがその後も私宅監置は続いた。
1919年(大正8年)に東京巣鴨病院が現在地に移り、のちの「東京府松澤病院」

1938年(昭和13年)、日本国内でロボトミーを開始。1975年(昭和50年)まで続く。

lobotomy. 脳葉(→大脳)の神経回路を脳のほかの部分から切り

離す外科手術。 前頭葉白質切断術ともいう。 かつては,統合失

調症,双極性障害(→うつ病),その他の精神疾患をもつ重篤患

者に対する抜本的な治療法として実施された。

1965年(昭和40年)、精神衛生法改正

1987年、精神保健法施行:宇都宮病院事件を受けて施行

1983年(昭和58年)宇都宮病院事件(うつのみやびょういんじけん)栃木県宇都宮市にある精神科病院報徳会宇都宮病院で、看護職員らの暴行によって、患者2名が死亡した事件

1995年(平成7年)、精神保健福祉法:精神保健及び精神障害者福祉に関する法律施行

7万人を病院から地域へ!

2002年(平成14年)、精神分裂病の診断名が統合失調症へ変更

2006年(平成18年)、障害者自立支援法施行

病院へ閉じ込めるのではなく、地域へ移行する方針へ変わっていった。病院から地域への橋渡しの役割が私たちの法人事業です。

ごちゃまぜで良いじゃない。
あたりまえの生活が出来るようにしていきたいのよ。

各法人(事業所)の理事長、代表者は、ご自身の言葉で歴史と自事業との関連を語って欲しい。

私は、経営コンサルタントとして外部から関わっていたがこのような歴史と理事長の働いていた環境及び法人の設立の背景が繋がった瞬間に「自分事」になりました。

国家資格を持っている人にとっては当たり前の事かもしれませんが改めて歴史と自法人設立の背景については理事長の言葉で伝えて欲しいものです。

上記については、

「新版 精神保健福祉士の仕事」住友雄資編を参照にしました。

社会福祉事業 事務局の仕事 4 基礎知識

1.      事務局が知っておくべき基礎知識

福祉事業で働く人は2種類います。
利用者(メンバー)さんを対象に福祉サービスを行う人と、
働く職員に対して事務的仕事をサポートする人です。
事務局の仕事は後者です。
しかし、福祉業界や自事業所について無知ではいられません。

事務局が知っておくべき基礎知識の1つ目は、自法人を取り巻く福祉業界についての知識です。

事務局の人たちは現場で働く人たち以上に外部の人と接する機会があります。
行政などのフォーマルな関係における知識は業界の知識です。
しかし、それだけではありません。
地域の人やビジネスの関係者に自法人や業界に関する知識を伝えられなくてはいけません。
知っているだけではなく理解し、伝えられる必要があります。

ここでは、簡単に事務局が知っておくべき知識についておさらいします。

※なお、私は福祉業界の外の人です。
だからこそ、
業界の人にとって「当たり前」な事に正面から向き合えると思います。
外部の視点で客観的に伝える事が私の存在価値です。
知識や業界情報は勉強中の身です。
漏れや間違いがあるかと思います。

遠慮なくご指摘ください。

もう一つの知識は、ビジネスに関する知識です。
ビジネスの基本については、
当ブログ内「社会福祉事業 経営講座」のカテゴリで解説しています。
当カテゴリでは、貴法人の事務局がビジネスにおける成果を最大化するための基礎知識について解説します。
こちらについては、私の得意分野です。コンサルタントとして11年。中小企業の業績向上の過程の中で、

「良い間接部門がどのような視点で何を行っているのか?」

について解説します。

 

社会福祉事業 事務局の仕事 3 目次

【目次】
働く人の現実 

はじめに

1.事務局が知っておくべき基礎知識

 1.業界を取り巻く歴史・環境(課題)・法律

 2.自法人(事業所)沿革・概要・特徴

2.事務局業務(人事・労務・財務・経理)

2-1.人事・労務

2-2.財務・経理

 

3.付加価値:秘書、広報

2・業界に関する知識

 1.歴史

2.課題

 3.今後の見通し

3.自法人(事業所)に関する知識

 1.設立の背景

 2.法人理念

 3.沿革

 4.概要

 5.特徴(ウリ)

4・事務局業務

 1.人事・労務

 2.財務・経理

 3.各事業

5・付加価値

 1.秘書

 2.広報

 3.コミュニケーションハブ

社会福祉事業 事務局の仕事 2 はじめに

はじめに

「内海さん、私たち法人事務局のあるべき姿を知らないんですよ。
今働いている人は、パソコンが使えて取りあえず仕事は出来るんですけど、
もっと良い事務局にしたいと思っているんです。
事務局のあるべき姿を書いてください。」

あるNPO法人の理事長からの無茶ブリが今回のブログ執筆のきっかけです。
その法人は10年以上前に現理事達を中心に設立されました。
事務局には1人いるものの専従ではなくケースも持てばプログラムも持つ状態です。
あるべき姿を目標と設定して現状を改善するにはどうすればよいのか分かりません。
そこで、私なりにまとめて理事長及び現在事務局の仕事を行っているスタッフとで勉強会をしました。

その時に伝えた内容を中心に記します。

「社会 福祉 事業 事務局で働く人の現実」で描写したのは、ある特定の団体の事ではありません。
私がこれまで支援してきた中小企業の現場で散見された光景です。
コンサルティングで企業に入り込むときに出てくる課題は「売る」事に関する営業やマーケティング関連。「提供する」事に関する工場や原価やサービス関連です。
どこの会社でも
「間接部門はミスしなければ良い。」
「期限までに処理してくれれば良い」
の認識です。
その現状認識からスタートしてしまうと「あるべき姿」には辿り着きません。

当ブログの内容は実現可能性を一旦無視して「あるべき姿」を描いています。
実現するためには当然高いハードルがあります。
ちょっとでも出来そうな事があれば是非実践してみてください。

そうした小さな実践の積み重ねが法人全体を良くする原動力となります。

社会福祉事業 事務局の仕事 1 働く人の現実

☑ 雨にも負けず、風にも負けず事務所を誰よりも先に開け、誰よりも遅く戸締りをして帰る。

☑ 各事業所から当たり前のように「あれもこれも」やらされる

☑ 「嫌だ」と言っても自分たちがやらなくては仕事は完結出来ないので結局最後までやる。

☑ 大晦日は締め日。元旦は清算日。みんなが休んでいる時だから仕事が出来る。

  ⇔他の日は仕事にならない。

☑ 計算を間違ったら「徹底的に怒られる」しかし、正しく計算しても言われた事しかしない。

  と怒られる。

☑ 電話応対を間違ったら怒られるが、電話応対でうまくいっても褒められない。

☑ 何事も先を読んで先回りして「やってあげる」が感謝されない。

☑ 急に「あれしてこれして」と振り回されるが、優先順位をつけられないと怒られる。

☑ なんでも出来て当たり前。

☑ 「えっ、他の部門の人は知らないよ。そんなに大変な仕事だなんて。」と言われるものの、

  だからと言って楽にしてくれる訳も無い。

☑ 経費削減と言えば、真っ先に「間接部門」の私たちが首を切られる。

☑ いや、正確には首を差し出す

 

それでも、私たちは事務局の仕事をする。

という状況が続いてしまうのには理由があります。
事務局のあるべき姿を描いて無いからです。
以下で法人事務局のあるべき姿をお伝えしていきます。

 

なお、当社の「法人事務局基盤確立プログラム」は、
ご一緒に貴法人事務局のあるべき姿を描き実現を目指すプログラムです。
ご興味、ご関心があればご連絡ください。

福祉事業経営者のための経営講座62反復≠継続

5-11.反復≠継続

1.問題提起

反復ではなく、継続している

 

解説

「当たり前のことをちゃんとやる事が大事なんですね。」本書で言いたかったのは正にそのことです。しかし当たり前の事を繰り返すだけでは「反復」です。毎日の仕事の中で昨日よりも今日、今日より明日改善を繰り返す事が継続です。「ローマは1日にしてならず。大業は一朝一夕にしてならず。」など諺にも多くあるのは継続の重要性を伝えたいからです。

 

2.解決策提示

どうすれば昨日より早く確実に出来るようになるか?
些細な事でも改善策を考え実行する事が継続です。
強靭な意志に頼る精神論ではなく、継続できる仕組みを構築定着化させます。

・手順:
1.当たり前に「反復」している事を洗い出す。

2.一度に多くの事は出来ません。毎朝一つのテーマを決める

3.どうすればよりよくできるか?の改善策を考える。

4.実行する。

5.振り返る。

をひたすら繰り返します。

コツ

常に仮説検証の繰り返しを仕組みに盛り込まなければ効果が出ません。目的がぼやけないために5W2Hを明確化したテーマを設定します。継続は力を数値化した例にします。
「1%の積み重ね」を数値化すると「毎日の1%の努力1.01を365日繰り返し行う事で年間の結果は、現状の1に対して37.8となる。
毎日漫然と1の事を反復するだけの人と比べて年間ではこれほどまでに大きな違いを生み出すことになります。

3.事例紹介

創業60年ほどの会社の創業者の日課についてお伝えします。私がお会いした当時68歳の創業者は18歳でお父さんが突然交通事故で亡くなって会社を引き継ぎました。以来50年間毎日行っている日課があります。それは、毎日寝る前にその日1日の「うまくいった事とうまくいかなかった事」を振り返る事です。うまくいったことは「なぜうまくいったのか?どうすればもっと上手くできるようになるのか?」うまくいかなかったことについては、「どうすればうまくいくのか」の段取りを考えてスッキリさせてから寝たとの事です。たとえ、どんなに酔っぱらって帰っても必ず欠かさなかった日課です。
ほんの数分、その日を振り返る事をお勧めします。
ネタ帳の項目でも記載しましたが、毎日は実際に行うのは難しい。だからこそ、自ら良き習慣を作るのです。そして良き習慣の奴隷となるのが最短の道です。習慣は自ら作ることが出来る。どうせ同じことをやるのなら良き習慣の奴隷となりたいものです。
本書の冒頭で申し上げた「現状は是ではなく、非から始める」視点で一日を振り返ります。目の前の全ての仕事に改善余地を発見できるようになります。どうすればより良く出来るだろうか?を思考し実践する。反復ではなく継続となるのです。

 

4.得られる成果(評価基準)

お客様からの信頼。まだ見ぬ潜在顧客への認知度向上。1円も費用を掛ける事なくブランドを築くことが可能となります。

余談だが、「ローマは1日にしてならず」の諺はよく知られています。しかし、ローマ帝国の完成まで何日かかったのか?
古代ローマ帝国が最大になるのに500年の歳月を要したそうです。大きな事を成すには時間がかかるものです。目の前の事ばかりではなく、大所高所に立ち長期的視点で継続を続けたいものです。

 

5.実践への最初の一歩行動

前述のネタ帳など当ブログを読んでやってみようと思った事をはじめてみる。

 

 

福祉事業経営者のための経営講座61セルフコミュニケーション

5-10.セルフコミュニケーション

 

1.問題提起

自問自答している

 

解説

学生と社会人の一番の違い。或いは社員と社長の一番の違いは問いを発する立場か答える立場かの違いです。学校教育は先生が質問し生徒が答えます。社会人になると自分で問い自分で答えていくようになります。しかし、中小企業で自分で問いを考え自分で答えられる程レベルが高い社員はあまり見かけません。社長が社員に質問(指示)し、社員が答えるレベルです。

社長には社員に良い問いかけを行い自発的に行動させる質問のスキルが必要となります。社員に質問する前に自分に問いかけ自分で答える自問自答は欠かせません。

あなたは自問自答していますか?

 

2.解決策提示

自問自答を習慣とする。

・手順

1.自分が望む最高の人生を自問自答する。

大きな課題に限定する必要はない。短期的な目標でも構わない。

2.望んでいる状態を具体化する質問を自分に投げかける。

自分へSMARTの質問をする。

3.具体化された目標を実現する方法を自問自答する。

5W2Hで質問する。

 

参考

コミュニケーションの実習で良く使っている方法を紹介します。

「なりたい自分、なりたい人生」を思い描くには体を動かす実習が効果的です。会議室などの広い場所で行う。椅子を3脚用意します。1つ目の椅子は中央に置く。この椅子は現在を表します。2つ目の椅子は前部に置く。この椅子は未来を表します。3つ目の椅子は後部に置く。この椅子は過去を表します。時間軸は半年、1年、10年とあなたが自問自答したい課題設定に合わせてください。

 

現在から過去の自分への質問

未来から現在の自分への質問

と時間軸をずらしながら自問自答する。

未来と過去は同じ時間に設定し、過去出来たことの延長に未来を思い描く。未来に自分がお手本とする人を設定し、その人が自分に問いかけるとしたらどのような質問をするか?

を考えて自分に質問する。

その上で、自分のなりたい姿と現状の差異を自分へ問いかける。

自問自答の習慣化で現状の延長ではなく、思い描いた人生を生きることができる。

福祉事業経営者のための経営講座60ネタ帳のすすめ

5- 9.ネタ帳のすすめ

1.問題提起

ネタ帳を持っている

 

解説

世の中は変化する。その変化に対応するのが経営です。
世の中がどのように変化しているのか?どのように対応するのか?
についてすぐに良い判断が出来るようになるにはネタ帳の存在が必須です。
日記やノートです。
日頃感じた事。気になったことを記録しておく事です。
常日頃からの情報収集の癖が大切です。
どんな小さな事でもネタとして蓄積する。
あなたはネタ帳をもっていますか?

 

2.解決策提示

ノートや手帳を常に携帯し「気が付いたことをメモ」し続ける。

コツ1.ノートや日記などの記録を毎日続ける事は難しい。
だから毎日続ける事を目指すのではなく、
常にノートを持ち続けて、気が付いた事を気軽に書き留めるようにします。
毎日書く事を目的とすると書く事が苦痛になります。
毎日ノートを持ち歩くだけだと気楽です。
私は30歳頃からA4サイズのノートに過去50冊以上いろいろなアイデアを書き続けている。
現在パソコンにはネタとして1,000以上になりました。
方法・手段は違えども「ネタ」を蓄積することが事業を改善するための一番の近道です。

当ブログの福祉事業所経営者のための経営講座についてのネタ元は、
後継社長のための経営力強化法です。
そのネタ元は
フレームワークで学ぶ社長のための経営力強化法です。

自分でネタバレしていますが(-_-;)
ネタ元のベースが無ければ他の事業への横展開は出来ません。
中小企業向けの物を福祉に向けて展開出来るのもネタ帳があったからです。

コツ2.続けるコツは「立派な事」を書かない事。
何か新しい事を始めても継続出来ないのは、最初が一番「立派」で徐々に尻すぼみになるからです。
どんなに「気楽に」始めると言っても、最初の1件には1~2時間かけてしまいます。
翌日はその1時間の時間が取れなくなる。
さらに数日たつと益々時間を取れなくなる。
その結果、最初の1件の立派な内容を超える事が出来なくなる。
やがて「ネタ」切れを起こしてしまう。
毎日毎回「立派な事、スゴイ事」ばかり考え出するのは苦痛です。
最高の文章を書くことが目的ではありません。
年に3~400件程度のネタを出すことを目的とします。
その中に1つか2つ「アタリ」が出ればラッキーの水準で始めてはいかがでしょうか?

3年も継続すると10や20の「アタリ」が出てくる。その結果、益々ネタ帳が充実してきます。

この時点まで到達できれば、項目ごとの整理を実施したい。業種により様々ですが、自社の事、競合の事、外部環境の事、社長として意識したい事、社員への期待など自分なりに分類する事でただのネタ帳が社員に対する教育マニュアルになります。社長なりの業界分析、世の中の見方、社員への方針など大きなテーマから小さなテーマまで数多くの内容が集まっていることでしょう。中小企業では、社長が一番の教育担当者です。自分が気づいた事や問題と思っている事を日々書き連ねたネタ帳は社員にとっての最良の教材となります。

記憶ではなく、記録の繰り返し。体験・経験したことが無い人に物事を伝えるには自分の主観的な記憶だけで伝えられません。何気ない日常の過去の出来事の記録を点と点で結びつける。線となり、面となりやがて体系化することが出来るようになります。ネタ帳は点の記録。本書も過去のネタをひっくり返しながら執筆しました。毎回、新しい事をゼロから考え出すことは至難の業です。前作の「トイレには走っていけ」同様にネタ帳を用意していつでもネタを引き出せるようにしました。

もう一つネタバレしますね。
上記に記したように、このブログの元ネタはありました。
今回の福祉事業所の事例を織り交ぜて執筆しようとしましたが、
文章にまとめるのは時間と労力がかかります。
(途中で挫折しやすくなります。)
中途半端な状態ですが、
中小企業向けの元ネタをブログにアップして加筆修正する事にしました。

当ブログが衆目に晒されると、加筆修正が必要になります。
ほぼ5日間で当ブログの「福祉事業経営者のための経営講座」をアップ完了させています。
(あと数記事のみです。)
ネタ帳の話からそれましたが、
継続のためのヒントとなれば幸いです。

さあ、追い込もう!

社会福祉事業 カッコーの巣の上で

カッコーの巣の上で

見た方が良いですね。
某NPO法人理事長のお勧め映画って事で年末に見ました。
DVD購入したのでウチウチの勉強会で見てもよいですね。
閉じ込めるのではなく、開くんだ。

ネタバレしちゃうんでここまでです。

私が近江兄弟社の新入社員時代に
「てんぴんの詩」という映画をみました。

近江商人の基本である三方よし
が分かりやすく伝えられていました。

映画は伝わりやすいですね。

って話を職員の一人としたら
「ビューティフルマインド」を薦められました。
こちらはアマゾンプライムで。

 

 

福祉事業経営者のための経営講座59スリーサークル

5- 8.スリーサークル

1.問題提起

関係性の違いを理解している

 

解説

ファミリービジネスアドバイザー協会の西川理事長のお話を伺う機会がありました。
100年、200年と永続するファミリービジネス(同族企業)の研究結果に興味を抱きました。経営への関わり方を3つの円で表す考え方です。

F(Family):家族、血縁、創業時の苦楽を共にした関係者

B(Business):事業上の関係者

O(Owner):所有者、株主

自社の幹部はどの位置で自社に関わっているだろうか?

関わり方の違いで彼らが得たい成果が違います。

予め関わり方の違いを分かっていれば対応の方法も変える事が出来ます。

悲惨な骨肉の争いに至らせずにすみます。

 

 

2.解決策提示

経営幹部が、ファミリーとしてビジネスとしてオーナーとして自社と関わりたいかを確認する。どのような成果を得たいのかを予測しておく。

 

手順

1.信頼できる人間と上記スリーサークルの考え方について共有する。

2.自分なりに分類する

3.それぞれの関わり方で得たい成果を算出する

4.「まさか」の事態を想定し持ち株数、職務権限について歯止めをかける

5.想定を繰り返す

 

コツ

それぞれのグループを想定し関わり方を変える。

 

3.事例紹介

福祉事業所の創業メンバーは家族同然です。
一緒に寝泊まりして「理念」について語り、修羅場をくぐり抜けてきました。
組織基盤が落ち着いた頃に入社した職員はどうしても
「ビジネス」の関係となってしまいます。
熱い想いを共有出来るが仕事が出来ない「ファミリー」の関係。

最後は理念の共有しかありません。
なぜ、この事業をやるのか?

理念に立ち返る。
ビジネスとして仲間入りした人たちにも「理念」を伝え続けるしかありません。

福祉事業経営者のための経営講座58傾聴

5- 7.傾聴

1.問題提起

傾聴している

 

解説

コミュニケーションのほとんどの問題は、
「どう話すか?」ではなく、「どう聞くか?」に集約されます。
大事なことは相手が話しやすい聞き方です。
人は、自己重要感、自己肯定、承認の欲求を持っています。
その欲求に応えるのが傾聴です。
コミュニケーションが上手な人は話しが上手な人ではなく聴くのが上手な人です。
あなたは人の話を上手に聴いていますか?

 

2.解決策提示

傾聴の技術を習得する。

手順

1.傾聴とはどのような聞き方か理解する。

頷き、相槌、言葉がけの効果的な方法

2.演習を通じてコツをつかむ

3.実践を通して傾聴の技術を習得する。

 

コツ

人の話を無心に聞いてみる。まずは、自分が話しやすい状態を把握する。その上で相手が話しやすい状態を作る。自分と相手が同じ状態が話しやすいとは限りませんが今より良い状態は作れるでしょう。

 

3.事例紹介

自分自身の事を振り返ってみてください。人の話を聞いているときにあなたは何を考えていますか?特に部下、後輩が相手の場合には、話を聞きながら「アドバイス」しようとしているだろう。奥さんが相手の場合は「反論」「言い訳」を用意しているかもしれません。対上司であれば「言い訳」を考えているかもしれませんね。このような事を考えている時間は相手の話を聞いていない時間です。もし、自分が逆の立場であればどうだろうか?あなたが相手のアドバイスや反論を望んでいない時に、相手から即座にアドバイスや反論されると不愉快になるでしょう。あなたが相手の話を丁寧に聴くだけで相手はあなたの事を居心地の良い相手だと感じてくれる。5-2の良い場を作るで説明したコミュニケーションの場をより良く出来るのが傾聴の力です。傾聴により相手が心を開いて話を出来る場を作って欲しい。

 

・アクティブリスニング(頷き、相槌を多用して能動的に聴く。)

演習:2人で対面になって行います。一人が話し手になります。もう一人が聞き手になります。1回目は、聞き手は頷き相槌を一切しません。しかし、相手の話を全て肯定します。2回目は、聞き手は頷き相槌を大げさにします。しかし、相手の話は全否定します。この演習を行うと、ほとんどの話し手は1回目より2回目の方が話しやすかったと答えます。実際には自分の言ったことは全て否定されているにもかかわらずです。

 

演習:ことばがけ

話が続かない人が苦手としている。問題の原因になる事や相手の価値観や相手の物事の捉え方が相手の発言から引き出せるのではないかと思う時にかける言葉。「~と、言いますと?」「もう少し詳しく話して下さいませんか?」「それで?」「それから?」と言葉をかけて相手が話しやすくする方法です。相手が具体的な話をすることで話し手と聞き手との距離が縮まります。この際、注意したいのは「なぜ?」と聞かない事です。「なぜ?」と聞かれた相手は、言い訳を探してしまうからです。思考のプロセスを辿るはずのことばがけが理由を探す詰問になってしまいます。口調によっては「責められている」感を相手が持ってしまうのです。

 

 

参考

話を聞いてくれと言うと

あなたは忠告をはじめる

私はそんなことを頼んでいない

 

話を聞いてくれと言うと

そんなふうに考えるんじゃないとあなたは言う

あなたは私の心を踏みにじる

 

話を聞いてくれと言うと

私の代わりに問題を解決してくれようとする

私が求めていたのはそんなことではない

 

聞いてください!

私が求めているのはそれだけだ

何も言わなくていい、何もしてくれなくていい

ただ私の話を聞くだけでいい

 

忠告など安いものだ

新聞を買うお金さえあれば

いろんな有名人が人生相談に答えている

 

それくらいは自分で出来る

たしかに少し弱気になり、迷ってはいるが

それくらいなら自分でできる

 

だから、ただ私の話を聞いてください

 

そして、もしあなたが話したいのなら

自分の順番を待っていてください

そうしたら、私もあなたの話を聞きましょう

 

「豊かな人間関係を築く47のステップ」

グレン・Vエカレン著より

 

4.得られる成果(評価基準)

傾聴出来るようになるとコミュニケーションの質が上がる。部下が腹を割って相談に来る

 

5.実践への最初の一歩行動

明日は1日「聞く日」にすると決める。私は聞く人だと決める。

※福祉での相談支援の肝ですよね。プロフェッショナルだからこそ、磨き上げたいものですね。

福祉事業経営者のための経営講座57省略・一般化・歪曲の罠

5- 6.省略・一般化・歪曲の罠

1.問題提起

省略・一般化・歪曲の罠にはまっていない

解説

省略・一般化・歪曲の罠に陥っていないか?
私たちは言葉によるコミュニケーションを行う時に無意識で 「省略」「歪曲」「一般化」を行っています。
このため、言った事が相手に伝わらないという問題が発生します。
特に、職場など同じ環境の「空気」を共有している場であれば、
伝えた側は部下に「分かるだろう」と「空気」感で強要してしまいがちです。

 

2.解決策提示

省略・一般化・歪曲とはどのようなものであり、どうすれば防げるのかについて解説します。

省略とは、体験の特定の側面に選択的に注意を向け、他の側面を除外する事です。
例えば「うまくいってません。」「ちゃんとやります。」などの場合、「基準、レベル、誰にとって、何が、」など具体的な事が省略されています。
省略は親しい関係になると頻繁に行われるが、対象である(誰)(どこ)(何)を省略すると理解できにくくなります。自分が伝えたい全てを言語化して伝える事は出来ません。
言語化の能力だけでなく、時間的な制約もあるからです。
まどろっこしい会話を好む人はいませんが、省略しすぎた会話は成り立ちません。
一般化とは、その経験が一例であるにも関わらず経験全体を表すようになる事です。
例えば、
「一度もうまくいった事が無い。」「男(女)なんて...」「みんな、そう言っている。」などが一般化です。本当に一度もうまくいった事が無いのか?全ての男(女)性があてはまるのか?みんなとは、本当に全員か?を考えずに無意識で使っています。
「みんな持ってるもん。だから、買ってよ。」は、子供たちが親に物をねだるとき見受けられる光景だが、大人になっても一般化している人は少なくありません。
一般化は自分の正当性を主張するときに使われます。
「みんな」と一般化するものの言い方は、上司の言う事を聞かない社員が良く使う言葉です。
彼らは社員を代表して上司に物を言っているつもりです。
「みんなそう言っています。」と言われた時に、
「みんなとは誰の事か?」と落ち着いた口調で問い返して欲しい。

歪曲とは事実ではなく主観に基づいた意味づけや決めつけの事です。
「あなたはいい加減な仕事しかしないね。だらしないね。」
など、人による基準が違う「いい加減」「だらしない」を強調して歪曲しています。
聞き手として歪曲して受け止める事もあります。
批判や指摘された事実を受け止めるのではなく、
自分の人格を否定されたかのような受け止め方をしている場合です。
自分の価値観を相手に押し付ける場合に歪曲した表現が使われます。
人は生まれ育った環境が違い独自の価値観で物事を判断しています。
事実を事実として伝えるのではなく各自が自分の価値観を通して物事を伝えるので歪曲が起こります。

省略・一般化・歪曲を理解した上で前述の5W2Hを明確にした伝え方を徹底する事で曖昧な表現は防ぐことが出来るようになります。
しかし、日常会話では省略も一般化も歪曲も当たり前に行われており、「省略・一般化・歪曲」を完全に取り入れたり、排除する事は出来ません。
まずは、 5W2H(いつ、どこで、誰が、何を、どこで、なぜ、どのように、どれだけ)を明確に伝える。一方、聞き手として、相手の発した言葉が理解出来ない時には「具体的にはどういう事ですか?」「何がそうさせないのですか?」「全てですか?」「絶対にですか?」と質問する事で5W2Hを明確にする。部下を教育するときは、しつこいくらいでよいのです。「具体的にすべきことが分かった。」「自分がこんなことを考えていたのかが明確になった。」「他にもこんな考え方があるな。」などの意識変換や気づきを起こせるとより良いでしょう。
なお、5W2Hを明確にする質問は多用しすぎると尋問、詰問となりかねません。部下を観察しながら行いましょう。

NLP(神経言語プログラミング)のトレーニングではこうした質問の技術を習得することが可能です。興味、関心ある方はNLPプラクティショナー(実践)コースを受講してみると良いでしょう。私の友人である池江氏が代表を務めるノーザンライツの講座は特にお勧めです。

http://northernlights.jp/

 

4.得られる成果(評価基準)

省略・一般化・歪曲の存在と解決が出来る事により思考の整理が可能となる。

 

5.実践への最初の一歩行動

他人との会話の中で省略・一般化・歪曲されやすものを観察する。

福祉事業経営者のための経営講座56 5W2Hの明確化

5- 5.5W2Hの明確化

1.問題提起

5W2Hを明確にして伝えている

 

解説

物事は抽象的なままでは相手に伝わりません。具体化して伝えます。そのためには5W2Hを明確化させて伝えます。あなたは周囲の人に5W2Hを明確にして伝えていますか?抽象的なまま伝えていないでしょうか?

 

2.解決策提示

小学生の国語で作文を書くときには、「5W1Hを使って相手にわかるように伝えなさい。」と習った。伝わる文章として例に出される新聞記事も5W1Hが明確である。5W1Hとは、いつ(when)、どこで(where)、誰が(who)、何を(what)、なぜ(why)、どのように(how)の事である。それに加えてビジネスの世界では、いくら(How much)が欠かせない。本書ではこれから何度も5w2hについて記すが、事実を事実として伝えるために5W2Hはどれだけ徹底しても徹底しすぎるという事はない。ぜひ、5W2Hを徹底したい。

 

手順

1.まず、書き言葉で5W2Hを明確化する。

2.話し言葉でも漏れなく伝える。

 

いつ(when)、どこで(where)、誰が(who)、

何を(what)、なぜ(why)、どのように(how)

いくら、どれだけ(how much)

 

 

 

 

 

コツ

最初から話し言葉で5W2Hを漏れなく伝えることは難しい。初めは書き言葉で漏れなく伝える方法を習得します。各書類を5W2Hを表示する書式にして癖付けします。

 

 

また、中学生に伝わるように伝えようとすることで、文章も平易になる。

「人間には、自分に興味・関心のない事は理解しようとしない。」習性があります。中学生頃までに自分の趣味・嗜好が定まります。 逆説になりますが、自分に興味・関心の無いことは中学生レベルの知識・情報しか持っていないと理解した方が伝わりやすいのです。中学生レベルは比喩的な表現だが、誰かに話をする前に、「この内容で中学生に伝わるだろうか?」と振り返る事であなたの伝えたい事が伝わりやすくなります。

「なぜ」の重要性

5W2Hの中で特に重要な要素が「なぜ=Why」だ。相手を動かすときに、なぜそうして欲しいのか?を言葉として伝えなくては伝わりません。相手は方法手段を聞くとそこで理解するからです。「言われたことしかやらない」と嘆いている上司は部下に対して、なぜ動いてほしいのかの意図・目的を伝えていません。ある会社の営業部長に聞いた話です。彼はその会社の売上責任者なのだが、「部下を動かして予算を達成しなくてはいけないのはわかっています。部下が動かないのです。部下の話をちゃんと聞いていますよ。自発的に行動してもらうように質問をしていますよ。だけど、部下が動かないんです。売り上げ予算が高すぎるというのが一番の問題だと思いますが。」彼が言いたいことは部下がダメだということと会社の目標が高すぎると言う事だけです。残念ながら、彼の部下は動きません。なぜなら、彼自身が売り上げ予算を他人事として捉えているからです。自分がなぜこの予算を達成しなくてはいけないのか?を理解していなくて部下を動かすことなど出来るわけがありません。なぜを他人に言うためには自分自身が肚に落としていなければ言えないからです。そもそも論として、社長がこの営業部長に対して「なぜ、この売り上げ目標なのか?」を伝えていないからです。正しい5W2Hとは、いつ、どこで、誰が、何をどのように、どれだけやるのか。の4W2Hのそれぞれの項目について「なぜ」なのか明確に答えられる文章となる。あなた自身が「なぜ」を自分に説明できないのであれば、部下を動かすことはできません。

 

4.得られる成果(評価基準)

5W2Hを正しく伝える事で、会話が具体的になり、ズレがなくなります。何度も説明する必要がなくなります。1回のミーティングの質が向上します。

福祉事業経営者のための経営講座55VAKモデル

5- 4.VAKモデル

1.問題提起

感覚による受け取り方の違いを理解している

 

解説

人はそれぞれ物事の捉え方が違います。にもかかわらず相手も自分と同じ様に物事を捉えて解釈していると決めつけていませんか?
あなたは相手によって伝え方を変えていますか?
五感のうち受動感覚により視覚を重視する人、聴覚を重視する人、体感覚を重視する人がいます。人それぞれの捉え方の違いを知り伝え方を変える事で伝わり方が変わります。

 

2.解決策提示

五感による受け取り方の違いを解説します。読んで実践してほしい。
これから紹介する方法はNLP理論に則った方法です。
NLPとは、Neuro Linguistic Programming(神経言語プログラミング)の略です。
人間は、「神経」(=五感【視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚】)と、
「言語/非言語」の脳での、意味づけによって物事を認識し、体験を記憶しています。
その認識や記憶は今までの人生体験に基づいて各人の中に「プログラミング」し、その「プログラミング」のとおりに反応し行動していると考えられています。そのプログラムを理解する事で普段のコミュニケーションをより良くできるという考え方です。私たちは生まれて以来五感を通じて得た情報を脳に送り、それぞれの意味づけをしています。この意味づけの方法や反応・行動の仕組みが人それぞれに違います。五感のうちコミュニケーションに使われる主なものは、V=Visual(視覚)A=Audhitory(聴覚)K=Kinesthetic(触運動覚)です。この3つのタイプを知り活用する事で、コミュニケーションの質を高める事が可能になります。

相手のタイプを知る。

たとえば、「ごはん」という言葉を聞いたらあなたは「最初に」どう反応しますか?

Aさん「湯気が立ち上るおわんに盛られた白く輝くご飯が思い浮かんだ。そして、その周囲には味噌汁やおかずなどが思い出されました。」と答えますた。AさんはV(視覚)が優先されるタイプです。

Bさん「食事の時の団欒の声が思い出されました。メニューは~でした。」と答えました。

A(聴覚)が優先されるタイプだ。

Cさん「ご飯の香り、噛んでいる感触そして舌触りや味わいが思い出されました。」と答えました。

K(触感覚)が優先されるタイプです。

私がよく使っている簡単な見分け方としては、「話が見えない。」というタイプは視覚優位。会話好きなタイプは聴覚優位。体を動かすのが好きなタイプは体感覚優位と判断しても良いでしょう。上司と部下とのコミュニケーションの工夫としてVタイプの部下には図やグラフで物事を伝える。Aタイプの部下には会話の時間を増やす。Kタイプの部下には共同作業を通して伝えるなどの工夫で伝わり方が変わります。

 

4.得られる成果(評価基準)

相手の受け取り方を知ったうえで伝え方を変えられるようになると、効果的なコミュニケーションが出来るようになる。

 

5.実践への最初の一歩行動

周囲の人はどのような人か観察して今までと伝え方を変えて伝えてみる。

福祉事業経営者のための経営講座54ソーシャルスタイル

5- 3.ソーシャルスタイル

戦国武将になぞらえて行動パターンを分類する 

これまでお会いした経営者の皆さんは
「うちの社員は、どうしてオレの言う事を分からないんだろう?」と悩んでいる一方で、
「あいつ(=ある特定の社員)は、オレが言う前に察して動けるんだよ。」と言います。
確かに、その社員はあなたの意思を推し量るコミュニケーションスキルが秀でているのでしょう。
しかし、その社員があなたの意思を推し量れるのはコミュニケーションスキルが優れている理由だけではありません。
あなたと部下が同じ絵を同じように見る事が出来ているからです。
前述の老婆の例のように、あなたとその社員だけが老婆の絵を見ているのかもしれません。
もう一つの理由として
あなたと行動パターンが似ているのかも知れません。

本項では、
人の行動パターンを知り、その人の行動パターンに応じたコミュニケーションの方法を活用して人を動かす事をお伝えします。

パターンに分けると言うと、日本では血液型分類が多く使われます。
一般的には、A型は神経質、O型は大雑把、B型は自己中心、AB型はマイペースのように分類しています。血液型の分類方法は科学的根拠が無いため、実際の仕事の場面では使えません。

本書では、1968年アメリカの社会学者デビッド・メリルとロジャー・リードが、
対象者の言動の表れ方で人間の社会的特性を分類しました。
以後、人間関係を科学的に捉えるツールとして多くの企業や組織で活用されているのがこのソーシャルスタイルによる分類方法です。人間は4つのソーシャルスタイルに分けられます。
元々はアメリカ海軍が潜水艦の乗組員同士の円滑なコミュニケーションを図るため考案されたモデルです。
似たタイプは人間関係のトラブルが少なく、敵対するタイプはトラブルの発生確率が高いと言われています。
何カ月も同じ艦内で生活を共にする乗組員同士のタイプをバランス良く配置することで帰還率が高まったとも言われています。
当ブログで紹介している方法はプレジデントコンサルティング株式会社伊藤氏の監修の元作成致しました。

この分類方法では、
自己主張が強いかそうでないか。の思考開放度の軸
感情表現が豊かかそうでないか。の感情開放度の軸の2軸で4つのパターンに分類します。

私も当初はソーシャルスタイル分類と呼んでいましたが、カタカナが得意でない経営者には、戦国武将に例えて説明するようになりました。
ソーシャルスタイル分類、4つのタイプなどコミュニケーションの研修機関ではそれぞれの呼び方がありますが、本書はコミュニケーションの理論書ではないため、戦国武将になぞらえて解説します。
「あいつは突っ走って信長みたいなところがあるよね。」
「あいつは調子良くって秀吉みたいだね。」
「あいつは辛抱強い家康みたいだね。」
「あいつは理路整然としていて光秀みたいだね。」
泣かぬなら殺してしまえホトトギス 織田信長
泣かぬなら泣かせて見せようホトトギス 豊臣秀吉
泣かぬなら泣くまでまとうホトトギス 徳川家康

1・織田信長型 
左上の織田信長型の特徴は
・感情は出さないが、メリハリがあり力強い話し方をする
・しっかり目を合わせて話す
・短めの文章で、結論からはっきりと断定的に話す
・決断が速い
・大筋をつかんだら、より短時間に結果を出そうとどんどん進めていく
・人間関係より、仕事、課題を重視する

ワンマン社長と言われる経営者はこのタイプが多いです。
人に対しても、結論から話す事を求めます。
話が長い事を嫌います。

2・明智光秀型 
左下の明智光秀型の特徴は
・感情を出さないで、穏やかな声で淡々と話す
・論理的で、順序立てた話し方をする
・冷静でビジネスライクな印象
・慎重で細かなことも見落とさない
・人間関係より、仕事、課題を重視する

私の部下にもこのタイプがいました。理系出身で研究者肌でした。
皆の前で自分の意見を言わないのですが、こちらから聴くようにすると、思いもよらない良い方法を提案してくれました。

3・豊臣秀吉型
右上の豊臣秀吉型の特徴は
・言葉・声・態度などすべてを使い、豊かに主張し、感情を表現する
・しっかりと視線をとらえ、感情を込めてアップテンポで話す
・まわりを巻き込みその気にさせ、楽しませる話し方
・直感的に決断するので、即断即決。
・まずは強い人間関係を築くことにエネルギーをかける

起業家に多いように思われます。
普段の私はこのタイプです。

4・徳川家康型
右下の徳川家康型の特徴は
・声にも態度にも、穏やかに感情をにじませる
・皆に目配りをしながら、同意を得るように、ゆっくり話す
・問い掛けるように、相談を持ちかけるように話す
・皆を励まし、サポートすることが得意
・仕事、課題に取りかかる前に、まずは、人間関係を築く

昔の日本のおかあさんタイプですね。
細々と色んなことに気配り、目配りします。

皆さんの部下も、どれかのタイプに分けられるのではないでしょうか?
感覚ではなく下記のセルフチェックリストを使った分類方法をお伝えします。

下記でご自分のタイプを自己診断しましょう。
Q1.あなたは以下の軸でみるとA,Bのどちらに近いですか?
A              B

話し好き・・・・・・・・・・・・・物静か
速いペース・・・・・・ゆっくりしたペース
主導権を取る・・・・・・まわりに合わせる
相手の目を見る・・・・・相手から目を外す
支配する・・・・・・・・・・・・・・従う
断言する・・・・・・・・・・・問いかける
競争的・・・・・・・・・・・・・・協力的
外交的・・・・・・・・・・・・・・内向的

自己主張する・・・・・・・自己主張しない
合計
あてはまるものに〇をつけA、Bの合計欄に数を記入してください。

Q2あなたは以下の軸でみると1,2のどちらに近いですか? 
1             2
冷静・・・・・・・・・・・・興奮しやすい
ゆっくり・・・・・・・・・・・・・・活発
仕事優先・・・・・・・・・・・・友人優先
クールな表情・・・・・・・・・温かい表情
気持ちを抑える・・・・・・・気持ちを表す
落ち着きがある・・・・・・・・・にぎやか
事実を重んじる・・・・・・意見を重んじる
感情に左右されない・・・感情に動かされる
声のトーンが一定・・・・抑揚のある話し方
合計
あてはまるものに〇をつけ1、2の合計欄に数を記入してください。

 

AとBの数でAが多ければ思考開放度が高いと言えます。
1と2の数で1が多ければ感情開放度が低いと言えます。
この場合は、ドライバータイプと分類出来ます。
あなたはどのタイプでしたか?

 

このタイプ分けの視点で部下を分類してみてください。
そのタイプに応じた伝え方をしてください。
上述の各タイプの特徴を考えて伝え方を変化させてみてください。
私は、会社員時代に自分と違う3タイプの部下を育成しました。
「普通はこうだろう」「自分ならこうする」が全く通じませんでした。
上記の各タイプに当てはめて伝え方を変えると伝わり方が驚く程変化しました。
皆さんも是非実践してみてください。

 

左側の人との会話では結論を重視すると効果的に伝わります。
論理的に思考する人が多いため、なかなか結論に辿り着かない会話が苦手です。
一方、右側の人との会話では共感を重視する事が効果的です。
感情豊かな人が多いため、「いきなり結論」を投げかけるのではなく、周囲の人がどう思っているのか。人を話題にする事がコミュニケーションを良好にするカギとなります。
ただし、役割が人を変えたり育てたりします。
元々は左上の信長タイプではない人が、「社長に就任する事」で短く力強い言葉を使うようになる。結果へ執着するようになる。などの例は良く見かけられます。

このタイプ分けの考え方は、対顧客でも威力を発揮します。

当社の営業研修では最初にタイプ分けの基本的な考え方を伝えます。相手のタイプに応じてどのように商談を進めるのかを想定させます。

福祉事業経営者のための経営講座53良い場を作る

5- 2.良い場を作る

 

1.問題提起

良い場を作っている

 

解説

コミュニケーションは意思疎通。重要なことは場づくりです。
「これから話しますよ。聞いてください。」
の場が出来ていないままコミュニケーションを始めていませんか?
あなたがどんなに熱く語っても相手が聞く耳を持っていなければコミュニケーションは成り立ちません。
有効なコミュニケーションを成立させる場を作る必要があります。

 

2.解決策提示

ラポールにより場を作ります。
ラポールとはフランス語で「橋を架ける」という意味です。
相手との間に橋を架けて距離を縮めお互いの信頼を得ることです。
いきなり話し始めるのではなく聞き手と話し手との間に橋を架けてから会話を始めます。

 

手順

1.相手を観察する

毎日のように顔を合わせるからこそ、相手を観察したい。

2.共通点を探す

営業などで初めてお客様を訪問した時に無意識に行っていることが共通点探しです。
出身地、好きな食べ物、趣味などを尋ねたり尋ねられたりしたことはあるでしょう。
何らかの共通点から話題を展開するとお互いの距離は縮まりやすくなります。

3.ペースを合わせる

話す速さだけでなく、呼吸までも合わせると相手も話しやすくなります。
同時に相手の真似をすると相手は居心地の良い空間を感じます。
ペースを合わせる、真似をするの2つの技術を習得するだけでも、聴くよ話すよの良い場づくりが出来始めます。

4.場が成立する

話す→聞く→話す→聞くが交互に繰り返されるのがコミュニケーションです。
自分の伝えたい事を相手伝わりやすいように伝える。
相手が分からないことを率直に聞ける。良い場があれば良質なコミュニケーションが成り立ちます。

 

コツ

一度に全て行うことは難しい。
話す速さを合わせるペーシングから始めると始めやすい。
普段は早口で話す人は少しだけゆっくりと話す。
すぐに出来る具体的な行動の中で実感してほしい。

 

演習

ペーシング演習

2人1組で向かい合う。一人が大きく深呼吸を繰り返す。
この時、大きく肩を動かすように深呼吸をする。
もう一人は相手に合わせて深呼吸をする。
呼吸は相手の肩の動きをみるとわかりやすい。

事例:赤ちゃんを抱っこしたままお母さんも寝てしまう。
赤ちゃんを寝かしつけているお母さんが赤ちゃんと一緒に寝てしまうのは、無意識に赤ちゃんの呼吸に合わせ無意識にペーシングを行った結果だ。本当に信頼しあっている親子だから無意識に寝てしまう。

 

ミラーリング演習

人間鏡です。一人が動き相手が真似をする事を繰り返す。実際には、すべてを真似するとわざとらしいので大きな動きがあった後にすぐに真似する程度にとどめたい。

事例:昔、誰かが煙草に火をつけると次から次へと煙草に火が付いた。などの話を良く聞いた。飲み会の席などでは、話すタイミングと飲むタイミングがあるので相手がグラスに口をつけるタイミングで自分もグラスに口をつけると相手にとっても良い間となる。相手が足を組み替える時に足を組み替えたり、相手が腕を開くときに腕を開いたりと鏡の様に真似する。

 

4.得られる成果(評価基準)

コミュニケーションの改善です。話す技術や聴く技術以前に良い場があることで上手に話せない人や人の話の真意をくみ取れない人も人との意思疎通が億劫でなくなります。

 

5.実践への最初の一歩行動

良い場を生み出すために自分が出来る事をやってみる。

まず、明日から。